TCF KYOTO SHOPPING

2014/04/04










fasionsnap.comより
14AW COLLECTION解説


2014秋冬シーズンの東京コレクションが閉幕した。数百にものぼる東京メンズブランドのなかで、
ランウェイショーを発表の形式として選ぶブランドはほんのわずかなので、
その希少派の中から潮流を読むのはいささか強引かもしれないが、
明確に浮かび上がったひとつのキーワードがある。
それは久しく影を潜めていた「男らしさの復権」である。
文:ファッションジャーナリスト 増田海治郎)


東京に先立つこと2カ月。1月に開催されたミラノ、パリ・メンズ・コレクションで、
男らしさの復権を感じたことはあまりなかった。
強いて挙げれば、MA-1に代表されるミリタリーアイテムが百花繚乱だったことだろうか。
だけれども、テーラードジャケットの上にショート丈のフライトジャケットを重ねたり(ジャケットオンブルゾン)
、スーツの上にモッズコートやN3-Bを"ブルジョアな青島"的に羽織るスタイルが主流で、
そこにほとばしるような男らしさを感じることはなかった。
 しかし、なぜか東京のランウェイは非常に男らしかった。
そして、その男らしさの表現が多彩で奥深いのがとても東京らしいと思った。
MA-1、ライダースジャケット、トレンチコートなどの表面的に男らしいアイテムがランウェイを席巻したのはもちろん、
一見ではなよっとしているように見えるけれど内包する思想が男らしかったり、
男女の性差の境目をなくしたジェンダーレスなファッションの中から"男"が春の筍のようににょきっと顔を覗かせたりしているのだ。

表面的に分かりやすく男っぽかったのは、
吉井雄一とオオスミタケシが手掛ける「ミスタージェントルマン」だ。トラッドをベースに、
着丈の極端なアレンジやフェミニンな味付けをするのが得意なブランドだが、
今シーズンは女性的な要素は皆無で男らしさ1本で勝負している。
キーワードは「ツイード、ミリタリー、デニム」の3つ。
なかでもミリタリーの表現は多彩で、テーラードジャケットとMA-1が一体になったハイブリッドなアウター、フランス軍のF2ジャケット、
オリーブグリーンと鮮やかなイエローのA2ジャケットなどを披露した。
デニムはセットアップでの提案が新鮮。
程よく色落ちしたGジャンとセンタークリースの入ったデニムトラウザーは白のタートルネックセーターでラフに、
ワンウォッシュのセットアップはポップな柄のセーター、スカーフ、ファーのストールでブルジョアに着こなす。
このあたりのさじ加減は本当に上手い。
 ツイード×レザーのバーシティージャケットのオールインワン、
大人の幼児プレイに最適な上質なアランニットのロンパース、トレンチコートとショートパンツがドッキングしたものなど、
上下の境を無くした表現も目立った。
ブランドのアイデンティティであるショートパンツの丈は相変わらず短めだが、穿くのをためらうほど短くはない。
ヘアスタイルもビシッと撫で付けた7:3分けで、色気がぷんぷん。欧米の流行が全て詰まっているから、
マーケティング寄りのブランドと言えなくもないけれど、2人のオリジナリティもしっかり入っているから軽々しく見えない。
今の気分、流行を映し出す鏡として、なくてはならない役者に成長している。